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過払い金の返還請求はした方がいいの?

質問 結婚する前に消費者金融から借金をしていて、そのことは妻には内緒にしてきました。
結婚するときには借金をするような人だと知られるときっと軽蔑されてしまうし、もしそうならなくても妻の両親にだらしない男とみなされ結婚を反対されると考え伝えることができませんでした。
しかし、結婚してから長い年月が経ち、妻の両親もすでに他界していて、過去の借金のことを妻に知られても離婚されるようなことはないので、先日テレビで過払い金のCMが流れたときに、何気なく自分にも過払い金を取り戻す権利があることを伝えました。
すると、その言葉に対して妻が予想もしなかった反応をして、過払い金が少しでも戻ってくるならすぐに弁護士事務所に連絡した方がよいと言い出しました。
そのテレビCMでは、少額の借金を繰り返していただけなのに、弁護士費用を差し引いても手元に何十万円ものお金が入ってきたというものでした。
妻は過払い金を自分のものにすることを目論んでいることは確かで、私としては妻が満足して喜んでくれるなら行動に移してもよいと思っています。
聞きたいことは、過払い金の返還請求は本当にした方がよいのか?ということです。もちろん何十万円ものお金が戻ってくることは嬉しいですが、返還請求することにデメリットがないか心配です。
yajirusi
A

過払い金の返還請求にはいくつかのデメリットもあります

過払い金の返還請求をするメリットは、払い過ぎた利息が戻ってくることで、現在も借金の返済を行っている方は、戻ってきた過払い金を返済に充てて借金を完済できたり、完済しても手元に現金が残ったりするようなこともあります。
となれば、過払い金の返還請求はした方がいいよね!となりますが、過払い金を取り戻すことにはいくつかのリスクやデメリットが生じることもあるので、安易に行動に移さないよう注意が必要です。
まず、貸金業者やカード会社に過払い金を請求すると、今後そこからお金を借りれなくなる可能性が高くなります。
貸金業者やカード会社は、過払い金を請求されたり債務整理されたりしたときに、対象の顧客とトラブルがあったと記録し、社内ブラックと呼ばれるリスクに登録されます。社内ブラックになってもお金を借りられる人もいますが、それはごく一部に限られます。
現在貸金業者やカード会社と良好な関係を築いていて、借入やキャッシングを便利使いしている方にとって、今後取引ができなくなることはデメリットに思うことだと思います。
社内ブラックならまだしも、過払い金を請求することでブラックリストに載る可能性もあります。貸金業者やカード会社は、借り入れの申し込みの審査を効率化するために信用情報機関という団体を通じて返済実績などの情報をカード会社と貸金業者間で共有しています。
ブラックリストに載るというのは、信用情報機関に「対象者はお金を返せないトラブルがあった」と登録されることです。こうなると、特定の会社以外にも金融事故があったことが共有されてしまため、お金を借りることも難しくなり、クレジットカードも一定期間利用できなくなる可能性が極めて高くなってしまいます。
ただし、ブラックリストに載るのは、過払い金を取り戻した後も借金が残ってしまう場合です。借金を完済した後なら、ブラックリストに載ることはありません。
今回は関係ないと思いますが、過払い金の返還請求をすると、家族や職場に借金をしていたことを知られるリスクも生じます。
過払い金の返済請求では、過去の借金の取引記録を取り寄せたり自分の口座に入金があったりします。
弁護士などに手続きを任せれば防ぐことはできますが、自分で過払い金を請求する場合は、書類が自宅や職場に届いてしまい、家族や職場に借金をしたことがバレてしまう恐れがあります。
これも自分で過払い金返還の手続きをした場合ですが、債権者との交渉に失敗して取り戻せるはずの過払い金が戻ってこないこともあります。
過払い金を取り戻すためには債権者との交渉が必要で、それを行うには過払い金の額を正確に計算して請求しなければいけません。過払い金の計算は複雑で、弁護士などの専門家なら間違うことはありませんが、素人だとミスが起きる可能性が高いです。
計算に失敗すると手続きに時間がかかるだけでなく、過払い金を1円も取り戻せなくなるようなこともあります。
また、自分で手続きした場合は、過払い金を取り戻すのに長い時間がかかりやすくなります。
専門家に依頼した場合は、おおむね3ヶ月から半年でお金が戻ってきます。一方自分で手続きする場合は、半年から1年程度かかることが多いです。
借金を完済している場合は、時効にも気をつけなくてはいけません。
過払い金を請求する時効の期限は、最後の取引をした日から10年間と法律で決まっています。10年を過ぎていると、どんなに多額の過払い金が発生していたとしても1円も取り戻すことはできません。
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