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親が自己破産すると子供にはどのような影響があるのでしょうか?

faq-visitor2 私には約2年間付き合っている彼女がいて、少し前から真剣に結婚について考えるようになりました。タイミングをみてプロポーズしようとも思っているのですが、一つ大きな心配事ができてしまいました。
父と母は18も歳の差があり、私は父が50歳を過ぎてから生まれました。母はまだ元気なのですが、父には持病があって入退院を繰り返しています。それだけなら問題はないのですが、先日母から父にはかなりの借金があることを知らされました。
父は個人事業主として商売をしているのですが、コロナの影響もあって借入がどんどん膨らみ、もう銀行からもお金を借りられない状態とのことでした。父の病状もあまり良くないみたいで、母は父にもしものことがあればどうしようと思い立っても居られなくなり私に借金のことも打ち明けたのだと思います。
父に万一のことがあれば私が面倒をみるから安心してと伝えたら母は少し安心していたようですが、会社が倒産するとなると借金の額からして自己破産しか選択肢はないと思います。
もしそうなった場合は、彼女との結婚にも支障がでると思うのですが、親が自己破産すると子供にどのような影響が出るのでしょうか?
例えば私が父の代わりに貸金業者などから取り立てされたり、私の財産を差し押さえられたりすることはないのでしょうか?自己破産したことが戸籍などに記載されて、今後の生活に不都合なことが起きることはないかとても心配です。
yajirusi
A

親が自己破産しても子供の資産は守られます

基本的には親が自己破産しても、子供の結婚や就職や進学などに特別な影響が及ぶことはありません。
今回のケースでは進学については関係ありませんが、現在勤務している会社が親の自己破産を理由に社員を解雇することはありません。心配されている戸籍にも自己破産したことが記載されることばありません。
そのため、結婚相手のご家族があなたの戸籍を調べることがあったとしても、親が自己破産したことは分からないようになっています。ただし、親が自己破産したことを彼女や彼女のご両親に正直に伝えたときに、相手がどのような反応をするかは分かりません。
親が自己破産しても、子供の資産は守られるので安心してください。お父様の財産は、原則家財道具と20万円以下の財産と99万円以下の現金を除き換価処分されることになりますが、そこに子供の財産は含まれません。
たとえ親が銀行以外の貸金業者などから借金をしていた場合も、子供のところに借金の取り立てに来ることもないので心配はいりません。親が迷惑をかけたからといって、子供が借金を肩代わりする必要もありません。
親が自己破産すると子供がローンを組めなくなるとか、クレジットカードを使えなくなると勘違いしている方も少なくないようですが、そのようなこともありません。子供の年齢が20歳未満の場合は、親権者の同意が必要になりカードを作れないこともありますが、今回の場合は関係ないと思います。
ただし、親が自己破産することで子供に影響が及ぶケースもいくつかあります。
親と同居している場合で家が親の持ち物であった場合は、自己破産すると家を出ていなかくてはいけなくなります。すぐにではなくても自己破産をすれば家が競売にかけられるので、落札されたら早急に家を明け渡さなくてはいけません。親と同居しない場合でも、親が住む家がなくなるので、子供に負担がかかる可能性は高くなります。
親が自己破産してもクレジットカーには影響ないと記載しましたが、親名義の家族カードを使用していた場合は、自己破産後に使用できなくなる可能性が高いです。自分が使用した分は、親カードを持つ会員の口座から引き落とされるため、親の自己破産によって自動的に家族カードも使えなくなってしまいます。
今回は当てはまらないと思いますが、親が自己破産する前に財産を譲り受けていた場合は、自己破産することによりその分を自己破産を担当する管財人によって破産財団に組み込まれ、換価処分されることになります。つまり、譲り受けた財産は返還しなければいけないということです。
また、成人している子供が親の保証人になっていた場合は、親が自己破産すると保証の範囲内で親の代わりに借金を返済しなければいけなくなってしまいます。
今回の場合は、おそらく子供が連帯保証人になっている可能性は低いと思われますが、お母様が連帯保証人になっている可能性は十分にあると考えられるため、そのことを早めに確認しておくことをおすすめします。
お母様が連帯保証人になっていた場合は、お父様だけではなくお母様も自己破産を余儀なくされる可能性が高いです。
結婚も控えているということですので、いずれにしても借金のことをお父様にきちんと確認して、お父様が所有されている資産や加入している保険などもチェックし、自分たちで判断できない場合は法の専門家である弁護士に相談に行くことを推奨します。
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