まず、債務整理の方法には個人再生以外にも任意整理や自己破産などがあり、状況によってどの方法を選べばよいか変わります。
また、債務整理以外にも借金問題を解決できる手段はあるかもしれないので、個人再生を検討しているなら弁護士などの専門家にもう一度相談してみることをおすすめします。今では無料相談に応じてくれる法律事務所はたくさんあります。
債務整理の手続きは自分で行うことも可能ですが、素人では準備にかかった時間やお金を無駄にしてしまう恐れがあります。
司法統計によると、個人再生の申し立てをした人の9割以上が無事終結しているという結果が出ています。弁護士などの専門家に依頼して適切な準備をして申して立をすれば、高い確率で成功きることになります。ただし、数パーセントの人は個人再生に失敗しています。
個人再生での失敗にはいろいろなケースがあり、申し立ての段階で失敗に終わることもあります。そもそも個人再生の申し立てを開始するにはいくつかの条件があり、それを満たしていないと裁判所に棄却されてしまい、次の段階に勧めなくなってしまいます。
個人再生の申し立ての対象になるには、主として「今後も継続的な収入が見込めること」「給料など収入の金額が安定していること」「借金の総額が5,000万円以下(住宅ローンは除く)」などの条件があります。
また、個人再生するには、予納金などの手続き費用3万円程度を期限までに一括で支払わなくはいけません。費用の支払いができない場合は、当然ですが次の手続きには進めません。
弁護士などに依頼すればそのようなことが起きる心配は不要ですが、自分で行う場合はこの段階で失敗に終わることも考えられます。
個人再生においては、再生計画案を作成してそれに沿い返済していくことになります。そのため、再生計画案は実行可能な現実的な内容である必要があります。裁判所が見て明らかに現実的でないと思われるような内容なら個人再生は失敗してしまいます。
申し立てをしたからといっても安心ではなく、手続きの途中で廃止になることもあります。再生計画が認可されると、それに従い原則3年で返済しなければなりません。計画に沿って返済ができない場合、個人再生は失敗となってしまいます。
個人再生に失敗すると、借金は一切減額されないことになり、個人再生の手続きによって生じた差し押さえなどの中止といった法的な効力もなくなります。
すなわち、個人再生の申して立てをした後に失敗に終わった場合は、申し立てをする前の状態に戻り、さらにかかった費用のせいで以前よりも借金が多くなるということにもなりかねません。
個人再生を成功させるには、借金問題に詳しい実績のある弁護士などに依頼して、現在の借金を整理するうえで本当に個人再生という方法が合っているかを考えることが重要です。
個人再生の実績がある弁護士なら、依頼者の経済状況をしっかり把握したうえで、適切な方法を提案し、問題解決へ導いてくれます。
個人再生では債権者による再生計画案の決議が行われます。そのため、反対する債権者がいないか確認しておくのも大事なポイントです。特に保証会社が債務者に代わって返済を行う代位弁済には注意が必要です。
複数の会社から借金をしている場合は代位弁済によって一つの保証会社に借金が集中してしまうことがあり、そうなると保証会社はより多くの弁済を得たいという理由から否決する可能性が高くなります。
個人再生に失敗しても、再申請をすることで個人再生が行えるケースもあります。一度は失敗に終わっても、その後収入が増えてきちんと返済できる状態になると、再び個人再生ができる可能性が高くなります。
個人で申請していて途中で弁護士に依頼したことにより、個人再生認可となるようなこともあります。個人再生の申し立てをする際にはきちんと必要な書類が揃っていて、書類に不備がないのかがとても重要です。
弁護士などに任せればこの点でも安心です。実際に、書類の数が多く内容も複雑であることから書類内容に不備がある場合も多いです。
個人再生に失敗した場合、通常は自己破産を行います。自己破産の場合は家などの財産を残すことはできませんが、借金を0にすることが可能です。