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Q

個人再生すると債務はどのくらい減りますか?

質問 横浜市内で商売をしている者です。個人経営ですが私が四代目で、100年以上続く家業をずっと残したくて、個人再生に踏み切ろうとしています。
実は商売は黒字なのですが、キャッシュフローがショートしていて、借金の額が膨らんできて限界を迎えようとしています。
銀行などからの借入の返済がなければ余裕で商売を続けられるので、何かよい方法がないかいろいろな人に相談してみると、個人再生という方法があることを教えてもらえました。
その人がいうには借金を大幅に減額できて商売も継続させられるということで、さらに家も残せると聞きました。
最悪自己破産して商売もやめて、ほかの仕事を探して再出発しなくてはいけないと考えていたので、個人再生で長年続けてきた家業を継続できるならこれほどありがいことはありません。
個人再生するとどのくらい債務を減らせるのでしょうか?家が残せる点についても詳しく教えて欲しいので、それも含めてご回答お待ちしております。

yajirusi

A

基本的には最低弁済基準まで減額されます

個人再生すると借金を大きく減額でき、キャッシュフローが劇的に改善して商売を継続させられたという方も大勢います。
個人再生で減額できる借金の額には一定のルールがあって、基本的には最低弁済基準まで減額されます。個人再生では現在の借金の額に応じて支払わなくてはいけない負債額が決定されます。
最低弁済基準とは、最低限支払わなくてはいけない金額のことです。
借金が100万〜500万円の場合は、100万円にまで減額されます。借金が500万〜1,500万円の場合は、5分の1にまで減額されます。借金が1,500万〜3,000万円の場合は、300万円にまで減額されます。借金が3,000万~5000万円の場合は、10分の1にまで減額されることとなっています。
借金が100万円以下だと、個人再生をしても減額されることはないため、個人再生する意味がありません。
また、個人再生の限度額は5,000万円までとなっていて、5,000万円の借金のある方の場合は個人再生をすれば500万円にまでに借金を減らしてもらえますが、5,000万円を超えると個人再生を適用できないため、通常の民事再生手続きや自己破産を選択しなくてはいけません。
ということで、個人再生は100万円〜5,000万円の借金を負っている方が行うものですが、借金額が増えると減額率が高くなるという特徴があります。
借金額が500万〜1,500万円であるなら5分の1までしか減額してもらえなせんが、3,000万円を超える借金は10分の1にまで減らすことができるのです。
個人再生には「住宅資金特別条項」という特則があって、持ち家があり住宅ローンを抱えている場合は、借金を減らしてそのまま家に住み続けることができるようになっています。これは住宅ローン特約とも呼ばれていて、住宅ローン特則を適用する場合は、住宅ローンは最低弁済基準の計算対象になりません。
たとえば、住宅ローンが3,000万円で、その他の借金が3,000万円ある場合、借金総額は6,000万円となります。これだと個人再生の限度額を超えてしまうので個人再生ができないのでは?と思う方もいるでしょう。
しかし、住宅ローン特則を利用すれば3,000万円の住宅ローンは計算から省くため、借金額は3,000万円と評価されて個人再生を利用できることになります。ただし、3,000万円の住宅ローンの返済は減額されることなく、そのまま支払い続けなくはいけません。
個人再生すれば、原則的には最低弁済基準額まで借金が減額されますが例外もあります。それは、債務者が一定以上の財産を持っている場合です。
個人再生には、「債務者は最低限、自分が保有している財産額までは支払をしなければならない」というルールもあります。このルールが設けられている理由は、債務者が所有している財産の額よりも借金返済額が低くなったら債権者が納得できないからです。
債権者は債務者に対して個人再生を許すよりも、破産をさせて財産を配当させた方がよいと思うのは一般的な考えです。
このような不合理な状態を回避させるために「最低限、財産額については支払わねばならない」ルールがあるわけで、これを「清算価値保障原則」といいます。
たとえば、債務者が300万円分の財産を持っているなら、最低でも300万円は払わなくてはいけません。なので、最低弁済基準額よりも保有している財産の額が大きい場合は、考えていたよりも借金が減額されないこともあります。
ただし、清算価値保障原則で対象になる財産は、あくまでも債務者名義のものだけです。配偶者や子供、親などの家族名義の財産は対象になりません。
個人再生するときに財産のことが心配になった場合は、事前に家や車、預貯金などの名義が誰になっているかを確認しましょう。家が債務者の名義になっていない場合は、住宅ローン特則を利用することはできないので、この点には注意が必要です。

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