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面接交渉権とは

面接交渉権とは


明文で認められている権利ではありませんが、判例や実務でも認めれている権利で、離婚後に子供と同居していない親が、子供に会う権利を面接交渉権といいます。

面接交渉の態様


面接交渉がどのように行われるかは当事者の協議によって決められます。離婚の際には一般的に次の事項を決めておきます
   
(1) 面接交渉の頻度(月に何度か)
(2) 面接交渉の場所(どこで子供と会うか)
(3) 面接交渉の時間(泊りも可能か)
(4) 面接交渉の際に、監護者が立ち会うか
(5) 子供の受け渡し、返す方法
(6) 子供の夏休みなどの長期休暇の時の面接交渉
(7) 直接会う以外の面接交渉について(電話、手紙、メールの可否)
(8) 贈り物の可否(誕生日・クリスマスのプレゼントなど)
(9) 学校行事への参加の可否(運動会、学芸会など)
  
 これらを話し合いで決めたら、必ず離婚合意書(できれば公正証書)に記載すべきです。

協議がまとまらない場合


家庭裁判所に調停を申立て、それでもまとまらない場合は裁判所が審判によって定めることになります。
申立てる裁判所は、調停の場合は相手方の住所地、審判の場合は子供の住所地
です。

相手が面接交渉に応じない場合


面接交渉の内容を具体的に定めておいても、離婚後、監護権者の側が面接交渉を拒否することがよくあります。その場合は以下の処置をとることになります。
  
(1) 調停や審判で離婚が成立している場合で、調停調書や審判書に面接 交渉権の内容が記載されている場合は、裁判所に
履行勧告
を出してもらいます。これは、家庭裁判所(調停を行った裁判所)が監護権者に電話したり、調査したりして、面接交渉を認めるように説得することで、これにより、相手方は心理的にプレッシャーを感じることになります。但し、
履行勧告に強制力はありません

(2) 離婚が協議で行われた場合には、面接交渉のための
調停を申立て、まとまらない場合は、審判で裁判所に判断してもらう
ことになります。
(3) 相手方が履行勧告に従わない場合は、不当な面接交渉の拒否という ことで、
不法行為に基づく慰謝料請求の訴えを提起する
という方法もあります。実際、500万円の慰謝料の支払いが認められた事例もあります(静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決)。

面接交渉が制限される場合


面接交渉の取り決めがなされても、必ず面接交渉の権利が認められるというわけではありません。面接交渉が認めれられるか否かは、子の利益と福祉の観点から決まります。つまり、面接交渉を認めることが子供の健全な成長の妨げになるような場合には、監護権者は面接交渉を拒否できることになります。具体的には、
 
(1) 子供が面接交渉権者に会うことを嫌がる
(2) 面接交渉権者が子供や監護権者に暴力を振るう
(3) 養育費を不当に支払わない
(4) 監護権者が再婚し、新たな家庭で子供が精神的に安定し、面接交渉権者に会うことが子供にとって不適切な場合
などです。

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