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Q

個人再生はどんな人に向いているの?

質問 大学を卒業して横浜市内の会社に就職し、そこで知り合った女性と職場恋愛を2年続けて結婚しました。
結婚後も部署は変わりましたが同じ会社で共働きしていて、当時は十分な収入もあったので思い切って横浜市内の会社の近くに土地を買ってマイホームを建てました。
お互いにまだ20代半ばと年齢が若く貯金はそれほどなかったので住宅ローンの審査に通るか心配でしたが、無事希望していた額を借り入れできることになり、理想に近い家を持つことができました。
家が完成して間もなくすると妻が妊娠していることが分かり、産休をとりながら出産後も共働きを続けていましたが、保育園がなかなか見つからず上手く子育てができなくなり、妻は会社を辞めました。
収入が半減するので今後の生活に不安はありましたが、私一人の収入でも家族3人生活するのには十分だし、子育てが落ち着いたら妻は再び働くことにしていたので、そのときは何とかなると思っていました。
しかし、その後会社で重大な問題が起こり、倒産は免れましたがボーナスがもらえなくなって収入が激減してしまい、さらに妻が体調を崩して入院しなければいけなくなりました。
今は回復しましたがベビーシッター代や入院代など出費がかさみ、それをカバーするために借金するしかない状態が続き、返済するのが厳しい状況に追い込まれてしまいました。
幸い会社の業績は徐々に回復していき、次回からはボーナスももらえそうで、収入は元通りになる予定です。妻も今では健康体になり、もう少しすれば働きに出られそうです。
問題は借金を返済するだけの余裕がないということで、何とかしようといろいろ調べて任意整理に踏み切ろうとしたのですが、借入先からは借金の額が多過ぎるので対応できないと言われてしまいました。
もう自己破産して借金を0にしてから再出発するしかないと考え、お金もないので役所の無料相談窓口を利用して弁護士に相談すると、個人再生という方法があるのを教えてもらうことができました。
時間に制限があったので詳しいことは聞けなかったのですが、個人再生が向いているのはどんな人なのでしょうか?相談時に弁護士さんから個人再生なら借金を大幅に減らせて住宅も残せると聞いたのですが、自己破産なら残せない住宅を個人再生なら残せるのはどうしてなのでしょうか?

yajirusi

A

住宅を残して借金を大幅に減らしたい方などに向いています

住宅を残して借金を大幅に減らしたい方に個人再生は向いています。
個人再生とは、任意整理と自己破産の中間のような債務整理の方法で、最大のメリットともいえるのが住宅を残したまま債務を大幅に減らせることです。
自己破産のように借金を0にすることはできませんが、借金の額を5分の1から10分の1程度に減らすことも可能で、尚且つ減額分を分割して返済することもできます。
債務者は減額された借金を原則3年間(特別な事情がある場合は5年間)で分割して返済し、完済すればその他については法律上返済義務が免除されます。
今回は関係ないと思いますが、借金の理由がギャンブルや浪費である場合も個人再生が向いています。
自己破産の場合は「免責不許可事由」というものが存在し、ギャンブルや浪費が原因で作った借金に関しては申し立てをしても借金を0にできる免責が認められないこともあります。
また、自己破産では、手続き開始から免責事由の決定まで、士業や警備員などの特定の職業に就けなかったり資格を得ることができなくなったりという制限がかかります。
個人再生では職業や資格への制限がないため、特定の職業に就いている方にも向いているといえます。
個人再生で住宅を残すことができるのは、「住宅資金特別条項」という制度を利用できるからです。
マイホームを持つときには住宅ローンを組むのが一般的で、お金を貸す金融機関側は対象の不動産に対して抵当権を設定します。そうすることで債務者がローンの支払いができなくなったときには抵当権者である金融機関が不動産を売却して未払いの住宅ローンに充当します。
しかし、マイホームというのはただの不動産ではなく生活の基盤となるもので、借金の返済に困っても簡単には手放したくないと思う人が大半であるのは当然のことです。このような重大な問題を改善するために整備された制度が、個人再生における住宅資金特別条項です。
この制度を利用しても住宅ローンは今まで通り支払わなくてはいけませんが、個人再生によって借金を大幅に減らすことにより、その他の借金の返済負担が激減して、住宅ローンを払いながら全体的な債務整理を図ることができるのです。
ただし、住宅資金特別条項を利用するためには、「本人が所有して住んでいる住宅であること」「住宅ローン以外の抵当権がついていないこと」などいくつかの要件があるので、制度の利用を考えている方は、事前に弁護士などの専門家に相談して詳細を確認しておきましょう。

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