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Q

個人再生ができないのはどのようなケースですか?

質問 借金の返済に困ってもう自己破産をするしかないと思い、市役所が実施している無料相談サービスを利用して弁護士に相談すると、債務整理には個人再生という方法もあり、それなら自宅などの資産を残したまま一定期間で借金を完済できることを教えてもらいました。
個人再生のおおまかな内容については把握できましたが、無料相談ということで時間制限があり、知りたいことの全てを聞くことができませんでした。
もちろん誰でも個人再生ができるわけではないと思うのですが、個人再生ができないのはどのようなケースなのかを知りたいです。
自分に個人再生ができる権利があるならぜひ活用したく、費用がかかっても再度弁護士事務所に相談しに行こうと思っているので、ご回答をどうぞよろしくお願いいたします。

yajirusi

A

返済できるだけの安定した収入がなければ個人再生はできません

個人再生は、抱えている借金を大幅に減額でき、自宅などの資産を手放さなくてもよいなどの有利な点が多くある手続きです。しかし、誰でも個人再生がきるわけではなく、同じ債務整理の自己破産や任意整理などよりも実行に移すハードルは高いと言えます。
個人再生ができないケースはいろいろありますが、以下に代表的なものを挙げます。
個人再生は、一定のルールに従い借金を減額して、原則3年(最大5年)で完済することになります。そのため、減額した後の負債を一定の期間で返済できる見込みがなければ、個人再生は認められないことになります。
返済を続けるためには、その資源が必要になるため、安定した収入が見込めない場合も個人再生が認められないことになります。個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があって、それぞれに収入に関する条件が定められています。
具体的には、小規模個人再生では、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」がある場合にのみ利用できると定められています。
給与所得者等再生では、小規模個人再生の要件に加えて、「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがあること」「その額の変動の幅が小さいと見込まれること」の2つの要件を満たすことが必要となり、会社員や公務員などがこの条件に該当します。
個人再生をするためには、借金を多く抱えていて返済が不能になっていなくてはいけません。そのため、借金の額がそれほど多くはなくて収入もそれなりに高いという人で、返済が困難な状況でないと判断されると個人再生ができない可能性が高くなります。
個人再生では家や車などの資産を残したまま借金を完済できますが、所有している財産が多額である場合も、個人再生が認められないことになります。個人再生では、所有している財産を処分しなくてよいという代わりに、自分の財産を全部処分した場合に得られる金額以上の額を返済しなければいけないと定められています。
財産の中には親から相続した家や土地などの不動産も含まれるので、遺産相続をした方は注意しなくてはいけません。
個人再生は多額の借金を大幅に減額することができますが、債務を圧縮することにより債権者に与える影響も大きくなるので、借金の総額が5000万円を超える場合は個人再生はできないことになっています。
住宅ローンに関しては借金の総額から除外されますが、個人再生をする人が保証人となっている場合は、その債務も借金の総額に含まれるので注意が必要です。
手続きを弁護士に依頼した後で、新たな借り入れをした場合も個人再生ができなくなる恐れもあるので注意してください。
給与所得者等再生だと再生計画の認可に債権者の同意は必要ありませんが、小規模個人再生の場合は債権者の半数及び住宅ローンなどを除いた減額対象の借金総額の過半数を占める債権者が再生計画に同意しなければ、再生計画が認可されることはありません。
個人再生をすることを決めた後で、親戚や友人などの特定の人だけに返済をした場合は、偏頗弁済という違反行為に当たる可能性が高くなるので、個人再生が認められなくなる可能性が高いです。
個人再生を行うためには、大量の書類を裁判所に提出しなければいけません。その書類を正確に記載しないなどの不備があれば、個人再生の申立てが認められなくなることもあります。
すでに申立てが認められているケースでも、不備が見つかると個人再生手続を廃止されてしまうこともあり、廃止はされなくてもその後の再建計画で不利になってしまう可能性もあります。
個人再生は債務者本人が行うこともできますが、素人が手続きを行うと不備が起こりやすくなるため、個人再生の手続きに慣れた弁護士に依頼することをおすすめします。
個人再生の申立てをするためには費用がかかります。裁判所に納める費用の他にも、弁護士費用として20〜40万円程度がかかり、これらの費用を用意できないと個人再生の手続を行うことはできません。そのため、費用面でお困りの場合は費用の相談にのってくれる弁護士に依頼することをおすすめします。

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